1948-01-24 第2回国会 参議院 本会議 第6号
併し日本のように、経済の回復力の非常に遅い、戰前に比べまして、僅か去年は四二%、綜合工業生産力の水準が僅か四二%にしか回復していないような時に、物價体系そのものを維持して行くということの困難さは、高瀬さん御自身十分御了解下さるだろうと思うのであります。從つて物價体系を一般的に、いつどういう規模で改訂するかということにつきましては、今私は只今それを申上げる自由は持ちません。
併し日本のように、経済の回復力の非常に遅い、戰前に比べまして、僅か去年は四二%、綜合工業生産力の水準が僅か四二%にしか回復していないような時に、物價体系そのものを維持して行くということの困難さは、高瀬さん御自身十分御了解下さるだろうと思うのであります。從つて物價体系を一般的に、いつどういう規模で改訂するかということにつきましては、今私は只今それを申上げる自由は持ちません。
私が物價体系そのものを堅持する建前から、闇價格のバロメーターである煙草の値上げに対して最後まで争つて参りましたのも、そういう見地に立つているのであります。併し一面から考えますれば、煙草自体というものが生活必需品とは言いますが、食糧なんかに比べて見ますれば、やはり嗜好品的性格が多い。
この点は政府としましては、どこまでも物價体系そのものは堅持して行く、あらゆる努力を拂つて堅持して行つて將來への不安を解消することが、又現実の不安を解消することであるという建前を取つておることを御了承願いたいと思います。ただ生産増強が本質的にはインフレーシヨンを克服するための最大の力であるということについては、私共も毛頭異存はないのでございます。
そうして物價体系そのものを堅持して行く。こういう方針で今やつておるのでありまして、味噌、醤油、塩干魚につきましては、只今関係方面と交渉中であり、これは引下げる予定で進んでおります。
そこが実質賃金の面における努力の方向に、政府といたしましては現在極力千八百円の堅持という方向に努力しておる次第でありまして、この物價体系そのものは、從來のように物價と賃金というものが全然別にばらばらに定められておる際ならば議論は別でありますが、とにかくこういつた新らしい方式によりまして、一つの大きなインフレに対する防塞を築いたこの際といたしまして、この問題か軽々に扱い兼ねて、目下愼重な態度を関係各省